フレックス作品全集『Allegro Flex』(楽曲監修:坂井貴祐)完成。
ずっと制作を進めていたフレックス作品全集『Allegro Flex』(総監修:佐藤正人、楽曲監修:坂井貴祐)が完成し、商品サンプルが送られてきました。ユニバース社が約10年前にリリースした吹奏楽全集『新・アレグロ』の続編として企画されたもので、商品は…
- 全曲書き下ろし作編曲作品 47曲のスコア&パート譜
- 上記作品の参考演奏CD 5枚
- 佐藤正人先生による基礎合奏指導DVD&解説書
- 埼玉栄高校が行っている楽器別デイリートレーニングのDVD&譜例集
- 小編成バンドの参考にできる「東日本学校吹奏楽大会」金賞受賞団体のライブ映像 DVD 2枚
という内容で構成されています。楽譜はすべて5パート+打楽器のフレックス編成。上記セットが、専用の段ボールに入ってドーンと届きました。
私は、この企画の草案づくりから事務作業、作編曲家のブッキング、ほぼ毎週行われた長時間の企画会議、すべての収録の立ち会いなど、8ヶ月以上に渡って深く携わりました。
制作スケジュールが超タイトだったものの、総監修の佐藤正人先生や作編曲家の方々、編集の方々など、多くの方に多大なご協力をいただき、無事完成!こうして商品を目にすると感慨深いです。
収録曲
収録曲の一例を挙げると…
【毎日の基礎合奏に】
・「J.S.バッハ371のコラール集」より12曲(変ロ長調 – ト短調 – ヘ長調…と、吹奏楽で多い調性から厳選)【上記基礎合奏の応用として】
・主よ人の望みの喜びよ(J.S.バッハ/黒川圭一 編)
・目覚めよと呼ぶ声あり (J.S.バッハ/鹿野草平 編)【行事・式典用に】
・旅立ちの日に(合唱付き)(坂本浩美/下田和輝 編)
・美中の美(J.P.スーザ/井澗昌樹 編)
・行進曲「威風堂々」第1番より(E.エルガー/片岡俊治 編)
・得賞歌/蛍の光/君が代(片岡俊治 編)【演奏会や地域のイベントに】
・春のメドレー (金山徹 編)
・夏のメドレー (石毛里佳 編)
・秋のメドレー (井澗昌樹 編)
・冬のメドレー (金山徹 編)
・山田耕筰 歌曲集(高橋宏樹 編)
※合唱や独唱とあわせても演奏できます【コンクール自由曲、定期演奏会に】
・瑞祥の調べ (福田洋介)
・ソナタ モノクローム (石毛里佳)
・チルドレンズ・ホリデー (下田和輝)
・タンゴ・インプレッション (片岡寛晶)
・畏れらるゝ大地 (三浦秀秋)
・ルーマニア民族舞曲(B.バルトーク/下田和輝 編)
・歌劇「トゥーランドット」より(G.プッチーニ/鹿野草平 編)
・「リュートのための古風な舞曲とアリア」第3組曲より(O.レスピーギ/高橋宏樹 編)
・組曲「子供の領分」より V.小さな羊飼い、VI.ゴリウォーグのケークウォーク(C.ドビュッシー/坂井貴祐 編)
・「小交響曲」より III.スケルツォ、IV.フィナーレ(C.グノー/片岡俊治 編)
・テレプシコーレ舞曲集(M.プレトリウス/佐藤正人 編)【語りと吹奏楽】
・語りと吹奏楽のための「民話 ききみみずきん」(福島弘和)
・宮沢賢治作「オツベルと象」(江原大介)
・ハイライツ・フロム・リンカーン(清水大輔)
など「毎日の楽器練習、基礎合奏に役立つ」「学校行事からコンクールまで、さまざまなシチュエーションで1年中使える」作品の数々が収録されています。
基本的には全国の中学校・高校に直接販売される商品なので店頭に並ぶことはありませんが、多くの方々の役に立てばいいな、と思います。
CD・DVD収録風景
収録は2月末から4月中旬まで、さまざまなホールで行われました。
総監修: | 佐藤正人 |
楽曲監修: | 坂井貴祐 |
打楽器指導: | 渡辺由美子 |
演奏: | 埼玉県立松伏高等学校吹奏楽部(顧問 荒井美里) 埼玉県栄高等学校吹奏楽部(顧問 奥章) 東京都小平市立小平第三中学校吹奏楽部 ウインド・アンサンブル21 千葉県柏市立柏第三中学校吹奏楽部(顧問 藤原奈里) |
合唱: | 埼玉県立松伏高等学校吹合唱部(顧問 朝見郁美) |
独唱: | 森由美子(秋のメドレー) |
語り: | 水野潤子(語りと吹奏楽) |
作編曲 : | 石毛里佳 / 井澗昌樹 / 江原大介 / 小野寺真 / 片岡俊治 / 片岡寛晶 / 金山徹 鹿野草平 / 黒川圭一 / 坂井貴祐 / 佐藤正人 / 清水大輔 / 下田和輝 / 高橋宏樹 福島弘和 / 福田洋介 / 三浦秀秋 |
浄書: | 日景貴文 /三國浩平 /今村愛紀 |
収録: | CAFUAレコード / シンフォニクス株式会社 / 太陽倶楽部レコーディングス |
ところで「フレックス楽譜」とは…
フレックス楽譜は編成の枠にとらわれることなく、多様な人数で対応できるように作られた、 組み合わせ自由なスタイルの楽譜です。曲はPart 1からPart 5までの5パートと打楽器で構成されています。
例えばPart 1では、Fl./Ob./EbCl./Alt.Sax./BbCl./Trp./Sop.Sax.のいずれかの楽器ひとつでも、すべての楽器を同時に使ってでも演奏が可能です。Part 2からPart 5のリストにある楽器も同様です。
そのため、各パートに1人ずつ割り振れば5人で、各パートに任意の人数を割り振れば20人でも30人でも “自分のバンドにあった編成” で演奏をすることができます。
クラリネットがいないから演奏できる曲がない…、ホルンがいないから…、そんな問題も全て解消できます。
(解説より)
こういった総合的な仕事をしたのは今回が初めて。とても貴重な経験でした。