『上原ひろみ with 新日本フィルハーモニー交響楽団
クリスマス特別公演』を聴きに行ってきました。
「オーケストラと一緒に演奏するのが夢だった」という彼女の思いがたっぷり詰まった、全曲上原ひろみさん作編曲(オーケストレーションを含む)による一夜限りのスペシャルライブを聴きに行ってきました。
前半は2管編成のオケと上原さんのピアノによるダイナミックなステージで、中でも《The Tom and Jerry Show》のピアノとマリンバの競演が秀逸でした。上原さんのアグレッシブなソロはもちろん、あのピアノの早弾きメロディーをマリンバがそのままノーミスで演奏しちゃうプロの技!演奏が終わった瞬間「うぉー!」という喝采と指笛、割れんばかりの拍手がホールを包みこんだのは言うまでもありません。
後半は弦楽オーケストラのみによる《Legend of the Purple Valley》に始まり、今回が初お披露目となるピアノコンチェルト《Step Forward》で締めくくられるという構成。
「オーケストラとの共演を夢見て14年前に書いたピアノコンチェルト」というこの《Step Forward》、上原さんはMCで、
当時は力不足でオーケストラ作品として完成できなかったけど、今回、必死に勉強してどうにか仕上げることができました。
とおっしゃっていたけど、この3楽章制の魅力的な作品を(未完成ながらも)10代で書けちゃうなんて、やはり彼女の才能も努力も並大抵じゃないな、と改めて思いました。
アンコールはオケとの共演で《クリスマスソングメドレー》を。サンタ帽子を被って登場した上原さんがチャーミングでした。
曲の演奏が終わると同時に客席はスタンディングオベーション。
そのままピアノソロによる《I’ve Got Rhythm》がスタートしました。
(何人かのオケ団員さんがまだステージ上で楽器の手入れ(片付け)をしていて、曲が始まったとたんに慌てて舞台袖に逃げる…という姿がちょっと面白かったです(笑))
《I’ve Got Rhythm》の終了とともに再び大喝采とスタンディングオベーション。
再登場した上原さんは、《パッヘルベルのカノン》のベースラインを左手で弾きながら、右手で鉄の棒らしきものをピアノ内部に設置しはじめます。何が起きるのかと思ったら、そのあとに右手から奏でられ始めたメロディーがまるでチェンバロのような音色として響いてくるではありませんか!ピアノとチェンバロ、ふたつの音色が楽しかったです。
最後は、第1部でオケと演奏した《The Tom and Jerry Show》をいつものピアノソロで演奏し、ホール内が最高潮に盛り上がる中、終演。時刻は21時40分!
大好きな上原さんの音楽を予想以上にたっぷりと楽しむことができて最高のクリスマスイブとなりました。
上原ひろみ with 新日本フィルハーモニー交響楽団
クリスマス特別公演
指揮:沼尻竜典
2009年12月24日 すみだトリフォニーホール 大ホール
《第1部》
Brain Training
Reverse
Golden Earrings
The Tom and Jerry Show
SPIRAL
– 休憩 –
《第2部》
Legend of the Purple Valley
Place To Be
Desert on the Moon (Piano Solo)
Choux a la Creme (Piano Solo)
Step Forward
・Step Forward 1
・Step Forward 2
・Step Forward 3
《アンコール》
CHRISTMAS SONG MEDLEY
I’ve Got Rhythm (Piano Solo)
Pachelbell’s Canon (Piano Solo)
The Tom and Jerry Show (Piano Solo)